HP制作 こころに太陽 Ⅱ 暗闇の中のケーキ屋

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暗闇の中のケーキ屋 

阪神淡路大震災で、町内の8割がたが倒壊した地域に、そのケーキ屋はあった。


夫婦2人で切り盛りするケーキ屋。



特に雑誌に取り上げられるわけでもないが、地元の人たちからは愛される「おらが町のケーキ屋」だった。


私がまだベビーカーに乗せられて、両親に連れられていた頃から・・・
実家でもなじみのケーキ屋さんだった。



地震の後、そのケーキ屋も倒壊して・・・・辺り一帯は、まるで戦後の焼け野原のように更地になり、わずかに残った市場の敷石の一部が、ソその場所が、かつて買い物客で賑わっていた場所だと分かる程度だった。





その頃の私は、毎日、毎日、仕事に追われ・・・・・・



朝は6時半に家を出て、7時半過ぎには職場のデスクで営業に出かける社員の下準備をし、夜は9時過ぎるのも当たり前。
帰宅すれば日付変更線近いこともあったし、昼食が取れないことなんて当たり前。
土日・祝日の出勤もあったけれど、一月の残業手当はわずかに1,300円とか700円とか。。。。。


残業手当を請求すれば、会社が潰れる状況・・・・・それくらいは、20代のOLでも理解できたので、文句も言えないし・・・・・でも、心身の疲れはどんどん溜まっていく。。。。。。。





そんな状況にあって、私が「食べたい」と思っていたのは・・・・・・




もう、その場所には無くなってしまったケーキ屋のケーキだった。









地震から間もなく1年が過ぎようとする12月20日前のある夜、朝から38,5度を越す熱で勤務していた私は、何ヶ月かぶりに7時前に退社して、帰路についた。
8時まで診察してくれる、実家近くの内科へ向かう途中、真っ暗な中にぽつんと灯りがともっているのを見つけた。




更地になった、市場の跡地の真ん中付近。

ケーキ屋があった位置に・・・・・・



コンテナが置かれ、懐かしい顔が・・・・・・・・





暫くお見かけしないうちに、すっかり歳を取った感じのケーキ屋のおばちゃんが・・・・・・




コンテナの灯りの中に座っていた。






病院へ行くのも忘れて・・・・思わず、そのコンテナの中へ入ってしまった。




「こんばんは」




おばちゃんは、顔を上げて私を見上げて・・・・言葉もでないまま、目からは涙があふれ・・・・・・私の手を取って、握り締めた。


私も、涙が出た。







やっと会えた。元気でいてくれた。・・・・・・ただそれだけで嬉しかった。






「まだまだ、店を再建できる状況では無いけれど、クリスマスケーキだけは・・・・・・毎年、その店のケーキを予約する常連さんが待っていると思うと、休むわけにはいかないでしょう。」



おばちゃんの笑顔は、地震の前と変わらずに優しく暖かだった。






もちろん、私も・・・・その場でケーキの予約をした。






12月23日、予約していたケーキを妹二人と一緒に受け取りに行った。


店では、元々、市場付近に住んでいた何人かの人たちに出会った。


みんな、笑顔でケーキの箱を持ち帰っていった。





その夜、家族で食べたクリスマスケーキは、それまでに食べたケーキの中で、一番美味しかった。







今年も、その店のケーキを、クリスマスに予約している。







おじさんもおばさんも歳を取り、私も母親になったけれど、
我が家のクリスマスケーキは、私が赤ちゃんの頃からその店のケーキのまま。
それは、これからも変わらないと思っている。










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コメント

鳥肌がたちました。あぁ・・。涙が出てきました。震度7。私も全壊。思い出があるから今がある。つらい思い出だけど。また1月ですね。先日 東遊園地にある犠牲者ネームプレートの亡くなった叔母の名前を撫でてきました。ありがとう。

素敵なお話、ありがとうございました!!

\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/
人間、万歳!!
------
ただいま、
「福耳」さんの「星のかけらを探しに行こう」DVDを
視聴しながら読ませて頂きました。
「王様のレストラン」メドレーのところでして....\(^o^)/

ありがとう

クリスマスは子供たちの為にあるんだよな~なんて、準備に追われるばかりの日々で。
でも、普通に家族でクリスマスをお祝いできるなんてこんな幸せなことないんですよね。

いいお話をありがとうございました。

生きること
生きていること
生きぬいていること

それが何よりも大切なことなんですよね。。。
  • [2006/12/25 13:24]
  • URL |
  • ちょんまげ侍金四郎
  • [ 編集 ]
  • TOP ▲

>boxerさま

昔も今も・・・・すごい‘ニアミス‘してるのですね。
(当時の実家は、玄関を出ると、東灘区深江でしたので・・・・。)

今年も・・・・・・またあの日が近付いてきますね。
青木にある「えっちゃん」と云うお好み焼きの持ち帰り専門店、ご存知ですか?(2号線のちょっと南(見えます)鳴尾御影線の神鋼の独身寮脇から交通公園へ抜ける道沿いです。)
毎年、1月17日になると「元気が出るみかん」を店舗前で無料配布しています。

震災前は、店内でも飲食できるお店でしたが、思いっきり全壊して‘おっちゃん‘も埋もれたそうです。
でも、プレハブで持ち帰り専門で・・・・ずっと頑張っています。
毎年は無理だけど・・・・震災前に何度も通ったお店なので、今でも‘おっちゃん‘のダジャレを聞きに出かけたくなります。

アノ揺れを経験した人は、きっと…何かが…どこかで・・・・みんな「仲間」なのかもしれませんね。

>kimballさま

この冬のクリスマスケーキも・・・・「いつものケーキ屋」のものでした。

やっぱり、いつもと変わらない優しい甘いケーキでした。^^w

>ちょこたん さま

学生時代、某KG大(笑)の神学部の学生が「クリスマスは、恋人達には必要ない。イエス・キリストは、俺みたいに恋人もなく一人寂しくわびしく過ごすヤツの為にこそお生まれになった!」とか叫んでおりましたが・・・・・(爆)

優しい気持ちで過ごす日になるといいですね。

>金四郎さま

私自身も・・・・「死にたい」と思ったことがありますが、自戒も込めて・・・・

今、簡単に死にすぎます。
安直に殺しすぎます。


命はリセットなんか出来やしない・・・・・そのことを伝える一端になれればいいな・・・・と思っています。

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